吉田麻也がW杯前に見極めたいポイントとは? 「一つかいくぐれば打開できる」
日本代表DF陣の要が掲げるスイス戦のテーマ
プレミアリーグで戦い続ける日本代表センターバックは、冷静に状況を見極めている。西野朗監督が3バックと4バックを併用するプランを打ち出しているなか、選手もガーナ戦の敗戦に下を向くことなくポジティブに、攻守の方向性や連携面を話し合う。そうした雰囲気は選手の意見を尊重する西野監督の気風ならではだが、対戦相手に通用しなければ描いた理想は崩れ落ちてしまう。
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そうしたリスクがあるなかで、世界最高レベルの厳しい環境に身を置いてチャレンジしているDFリーダーの存在は実に頼もしい。その吉田が「自分たちが今やっていることをトライするには、非常にいい相手」と語るのが、現地時間8日に戦うスイスだ。最新のFIFAランキングは6位。欧州予選グループBでは、ポルトガルに最終節で0-2と競り負けて2位で北アイルランドとのプレーオフに回ったが、それまでは9連勝を収めていた。
負傷明けとなる司令塔のMFグラニト・ジャカ(アーセナル)は日本戦の出場が不透明だが、世界的に名の知られたサイドアタッカーのMFジェルダン・シャキリ(ストーク)を擁する。さらに守護神のGKヤン・ゾマー(ボルシアMG)、ドルトムントに所属するセンターバックのDFマヌエル・アカンジ、運動量と戦術眼を併せ持つ右サイドバックのステファン・リヒトシュタイナー(アーセナル)、数多くのビッグクラブが興味を示すMFデニス・ザカリア(ボルシアMG)、抜群の身体能力を誇るFWブレール・エンボロ(シャルケ)など各ポジションに実力者を揃える。
そのスイスの最大の強みが組織的なまとまりであり、吉田も「チームとしてすごくオーガナイズされている」と認める。攻守のバランスが良く、連動したプレッシングやピッチを幅広く使い分ける組み立て、ウィングとサイドバックの連携によるサイドの崩しなど、長年組む主力メンバーを中心にコンビネーションが確立されており、そこに21歳のエンボロやザカリアといった活きのいい若手が上手くミックスしているのが現在のスイスだ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。