“成功のキーマン”に浮上 ボランチ大島僚太に託された攻撃の役割と芽生えた自覚
スイス戦に向けて存在感を増すリオ五輪世代の出世頭
西野ジャパンの初陣となった5月30日のガーナ戦、MF大島僚太(川崎フロンターレ)は3-4-2-1の左ボランチでフル出場した。いわゆる“リオ五輪世代”では唯一のスタメンであり、6月8日のスイス戦に向けた4-2-3-1の練習でも主にレギュラー組と見られるチームでプレーしており、先発出場が濃厚となっている。
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「(ガーナ戦ではボールの)取りどころとか、チームとしてはっきりさせた方がいいと思いました。攻撃もそうですけど、奪った後の切り替えのところでも、スイスの切り替えの早さは頭に入っているので、そこはいつも以上にみんなが顔を出すことと、自分自身がしっかりそこで見つけておくことが大事だと思います」
バヒド・ハリルホジッチ前監督の下で昨年12月に行われたE-1選手権の中国戦、さらに3月のマリ戦で先発出場のチャンスを得た時も、守備から攻撃にスイッチを入れるキープレーヤーとして機能しているように見えたが、ともに前半のうちに負傷退場を強いられた。しかし、5月30日のガーナ戦は終盤に足をつりかけたものの、フル出場を果たしていた。
「当初は大島(の途中交代)を考えていました。ボランチ二人を中盤にして。ただ、攻撃的なところで大島は、今日の展開力とプレーメークに関して外せないキープレーヤーだった」
ガーナ戦後に西野朗監督はこのように明かした。攻撃面はもちろん、守備面でもタイミングを見極めたアプローチなどで機能しており、基本的に“格上”が相手になる本大会をにらんでも本職のボランチで着々と地盤を築いている。あとはスイス戦、パラグアイ戦とハイレベルな相手に対して実戦感覚を高めながら、周囲とのビジョン共有、連係を構築していけるかどうか。それは大島の生命線と言える。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。