「2010年とは全然違う」 本田が西野Jに見出す“崩しのイメージ”とチャレンジャー精神
「みんな」で議論するなかで本田が模索するのは…「守備のなかで試したい形がある」
取材の最後に「議論の中心に本田選手がいるか?」という質問が飛ぶと、「みんなです」と強調。現時点で全てが決まっているわけではないことを認めるものの、「でも決まり始めているという点はポジティブな面だし、前に進んでいる。停滞感は一切ないし、みんなが努力しています」と本大会が迫るなかで着実にチームが前進していることを実感している。
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もちろん、そうした手応えを明確な手応えにしていくには試合で試すしかない。オーストリアでの合宿で主にレギュラー組と見られるチームで4-2-3-1のトップ下に入っている本田は、守備の部分もおろそかにしていない。「僕の中では今、2個くらい守備のなかでちょっと試したい形がある」と語る部分を、スイス戦でどこまで確認できるかは12日のパラグアイ戦、さらに本大会のコロンビア戦に懸かってくる。
「手ごたえがたぶんスイス戦に出ると思います。そこでもちろん最悪のケース、今言った二つのプランA、Bが機能しなかった場合も想定しなきゃいけない。でも、そのワーストケースが南アフリカの守備のやり方なんで。全部ダメになってもあのやり方はできると思っています」
つまり、2010年を経験した本田のなかでは、最終的に“ワーストケース”に立ち返れるというイメージはある。そうなった場合に西野監督や選手たちとどう詰めていくかはともかく、最後の最後は引いて守備を固め、カウンターにかけるような戦い方をする覚悟はできているということ。ただし、今はその必要性になく守備のプランA、Bを試し、攻撃でも崩しのバリエーションにトライできる段階にあると考えているようだ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。