ハリルジャパン、格下相手に痛恨のスコアレスドロー
香川ら交代も実らず
両チームとも交代はなく、同じメンバーで後半を開始。3分、7分と立て続けに宇佐美がシュートを放つが、大きく枠外。10分には太田のクロスに、岡崎がヘディングで合わせたが、相手GKマフブードが立ちはだかる。またもやファインセーブ。こぼれ球を狙った本田のシュートも枠をとらえられなかった。
ベンチの前で日本が決定機を外すたびにオーバーアクションでハリルホジッチ監督は動く。16分にエースナンバー「10番」を背負った香川を諦めて、大迫を投入。岡崎との2トップへ変更した。
23分、太田のコーナーキックにゴール前正面で本田が合わせ強烈なヘディングシュートを放つが、シンガポールGKがまたもファインセーブ。日本の前に大きな壁として立ちはだかった。26分、コーナーキックの流れから右サイドの本田がクロス。ファーサイドでフリーになった槙野が頭で合わせたが、ゴールポストを直撃した。
27分、日本は2人目の選手交代。柴崎を原口に代えてトップ下の位置へ。長谷部の1ボランチへ変更し、攻撃姿勢を強めた。
直後の28分、大迫が倒されて得たゴール正面のFKを本田が狙うが、ゴール左上の角を直撃。こぼれ球を宇佐美が狙うが、GKにキャッチされた。背番号4のエースは30分、31分と得意の左足でゴールを狙ったが、得点にはならず。ベンチのハリルホジッチ監督も大きく飛び跳ねて悔しさを露わにした。
33分には宇佐美に代えて武藤を投入。交代枠を使い切る。勝ち点3へ向けて総攻撃の姿勢を見せ、最後まで猛攻を仕掛けたハリルジャパンだったが、マフブードのスーパーセーブの前に決勝点は奪えなかった。日本代表のワールドカップ予選初戦のドローは1990年イタリア大会予選以来。1989年5月22日の香港戦(香港)は0-0ドローだった。この予選で日本代表は1次リーグで敗退している。
格下を攻略しきれずに、まさかのスコアレスドロー。57533人の大観衆が詰め掛けた埼玉スタジアムはため息に包まれた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
荒川祐史●写真 photo by Yuji Arakawa