メッシに思わぬ“脅迫” パレスチナ協会首脳が人種主義の混乱を懸念「来ないでくれ」

 国際親善試合イスラエル戦を前にして、メッシが“ある脅迫”を受けているという【写真:AP】
国際親善試合イスラエル戦を前にして、メッシが“ある脅迫”を受けているという【写真:AP】

ラジョウブ氏がアルゼンチン大使館前でデモ ユニフォームを燃やすことになると“予告”

 アルゼンチン代表FWリオネル・メッシは自身4度目の出場となるロシア・ワールドカップ(W杯)に向けて、着々と調整を進めている。ホルヘ・サンパオリ監督率いる代表チームで悲願の世界一を目指すなか、現地時間9日に開催予定の国際親善試合イスラエル戦を前にして、“ある脅迫”を受けているという。

 現地時間5月30日に行われたハイチ戦で、メッシはハットトリックの活躍を見せるなど、4-0の大勝に貢献。この勢いを持ってロシアW杯前最後の強化試合イスラエル戦に臨みたいところだが、思わぬところから声明が発表された。それはイスラエルと長年に渡って政治的対立が続くパレスチナからだ。

 AP通信によると、パレスチナサッカー協会の代表を務めるジブリル・ラジョウブ氏は、現地時間3日にラマラにあるアルゼンチン大使館の前でデモを行った。その主張は「アルゼンチンとイスラエルのフレンドリーマッチを中止してくれ」というもの。試合会場はエルサレム地区にあるスタジアムで行われるが、この場所は1940年代に起きた中東戦争によって、パレスチナからイスラエルに支配が移った歴史的背景がある。

 ラジョウブ氏は「メッシ、来ないでくれ。レイシズム(人種主義)の顔のごまかしに乗らないでくれ」と声明を発表。もしそのまま試合が開催されることになれば、ファンがメッシの写真やユニフォームを燃やすことになってしまうとまで“予告”している。

 W杯はサッカーの祭典であるとともに、各国の文化を知り得る貴重な機会だ。しかしパレスチナとイスラエルの間には、世界ナンバーワンプレーヤーであるメッシと言えども、垣根を超えられない複雑な背景があるようだ。

(FOOTBALL ZONE=AP)

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