ドイツで成長したハリルジャパンの原口 1年ぶりの埼スタで進化を示す

ドイツ移籍後、1年間の成長。代表初ゴールという収穫

「自分はどこを目指しているかといえば、ここが目標じゃない」
 日本代表のFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)は6月11日のイラク戦(日産スタジアム)での後半39分にマークした代表初ゴールをあっさりと振り返った。
 後半21分、香川真司(ドルトムント)との交代で出場する際、バヒド・ハリルホジッチ監督から指示されたポジションはトップ下。8日のトレーニング中に清武弘嗣(ハノーバー)が右足を負傷して離脱。そこで、急きょ抜てきされたポジションだった。
 実際のところ、「サイドと真ん中は見える景色が違う」と違和感は拭えない。感覚をアジャストするのに十分な期間など無かったが、「どこでもできるようにならないと、チャンスはもらえない」と自分に言い聞かせ、中央でのプレーを前向きに捉えた。
 原口は昨年6月、中学から育った浦和からドイツへと移籍した。浦和時代の原口は、天性の才能を見せる輝く瞬間もあれば、ゲームの中でこつぜんと消えてしまうムラもあった。豪快なプレーを見せる反面、体格的には線の細さを感じさせた。
 それが、この1年間で大きく変わっていた。「自信があるかといえば、ないポジション」というトップ下でも、存在感を失うことはなかった。確かに、本人が「まだまだ改善するべきところがある」と言うように、純粋なトップ下のプレーヤーとして見た場合、ボールを引き出すプレーや周囲をコントロールする力では、本職の香川や清武にまだまだ及ばないだろう。しかしながら、一人のサッカー選手として見れば、その大きな成長を感じさせる24分間だった。

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