FIFAランク2位、ベルギー代表勢は大人気 今夏の移籍市場の主役へ

デ・ブライネ、ベンテケ、ナインゴラン、ルカクら人気銘柄揃い

 昨夏のワールドカップでベスト8に進出したベルギー代表は、先日発表された最新のFIFAランキングで世界王者ドイツに次ぐ2位に浮上。同国史上最高位となった。
 現在、代表チームの主力選手は、今季のプレミアリーグMVPを獲得したエデン・アザール(チェルシー)をはじめ、主将のヴァンサン・コンパニ(マンチェスター・シティ)、ティボー・クルトワ(チェルシー)、マルアヌ・フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)ら世界のトップレベルでプレーする選手たちだ。近年、急速に実力を伸ばしている彼らは、プレミアリーグを中心に次々とステップアップを果たしている。
 そのベルギー代表のタレントは、今夏の移籍マーケットでも注目の的になりそうだ。その筆頭候補とも言えるのがヴォルフスブルクのMFケビン・デ・ブライネ。今季のブンデスリーガで10得点20アシストという驚異的な成績を残した攻撃的MFは、マンチェスター・シティが獲得に本腰を入れている。
 ジョゼ・モウリーニョ監督率いるチェルシーでは出番のなかったデ・ブライネだが、ドイツで経験を積み、満を持してプレミアの舞台に帰ってくる可能性がある。その移籍金は最低でも3000万ポンド(約57億円)と伝えられている。
 現在、英国内でその動向が騒がれているのはアストン・ビラのFWクリスティアン・ベンテケだ。抜群の身体能力を誇り、身長190センチと長身のストライカーは、今季17位でなんとか残留を果たしたチームで15得点と気を吐いた。すでにリバプールが強い関心を寄せている。
 ベンテケについては同胞からの信頼が厚く、アザールはチェルシーへのベンテケ加入を熱望しているとベルギー地元メディアに語った。さらに、同じくベンテケ獲得獲得を目指しているトットナムのMFナセル・シャドリも衛星放送「スカイ・スポーツ」に対し、「出来ることなら、彼には僕らのもとへ来ること選んで欲しい」と語っている。負傷で昨夏のW杯を棒に振るっているだけに、本人もより大きな舞台でのプレーに飢えているはずだ。
 プレミアとセリエAのトップクラブが獲得を争いそうなのは、今季ローマでプレーしていたMFラジャ・ナインゴラン。豊富な運動量と攻撃力を備えるセントラルMFで、マンチェスター・ユナイテッド、ユベントスなどへ移籍のウワサが報じられた。
 しかし、インドネシア人の父を持つ27歳は、衛星放送「スカイ・スポーツ」に対し「ローマで幸せ。プレミアリーグは好きだが、今はローマでのプレーに集中している」と残留を示唆している。今夏の移籍の可能性は低そうだ。
 その他にも、チャンピオンズリーグでのプレー希望を公言しているエバートンFWロメル・ルカクは、英地元紙「デイリー・メール」でローマ移籍が伝えられた。3500万ポンドという(約67億円)という高額の移籍金がネックとなり進展はないようだが、22歳の怪物FWの重要性を物語っている。
 サウサンプトンのDFトビー・アルデルヴァイレルトも、王者チェルシーが注目するほどの選手に成長。今季リーグ2位の33失点と堅守を誇ったチームで26試合に出場し、活躍を印象的付けた。アトレチコ・マドリードからやってきた26歳はセンターバック、右サイドバック、時には中盤もこなす万能性を備えている。
 2004年から2012年までの間はW杯とEUROのメジャートーナメントで5大会連続で予選敗退と低迷期が続いたベルギー代表だが、現在は多くのタレントを輩出し続けている。”赤い悪魔(ベルギー代表の愛称)”を支える才能達は来年の欧州選手権という大舞台で輝きを放つことができるだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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