西野監督が説いた「競争より共存」 教え子・宇佐美が語る指揮官の“言葉力”の効果
全員がチームに合流してミーティングを実施「団結して進んでいかないといけない」
日本代表は合宿5日目となった25日、前日に故障で離脱したMF青山敏弘(サンフレッチェ広島)を除く全26選手がチームに合流した。ガンバ大阪時代に西野朗監督と共闘した経験があるFW宇佐美貴史によれば、指揮官はミーティングで「競争より共存」と説いたという。宇佐美は「懐かしい感じがする」と、“西野流ワード”にかつての刺激を思い出しているようだ。
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海外組、国内組の全選手が合流し、西野監督は約10分間のミーティングを行ったという。そこで指揮官が説いたのは、23人枠を巡る“競争”以上に、チームの“団結”だった。かつてG大阪で3シーズンにわたって師事した宇佐美は、その内容を次のように明かす。
「選手、スタッフ一丸となってチーム全体で前に進んでいくことだけを考えよう。(最終登録の)23人に絞るので競争もあるけど、しっかり団結して進んでいかないといけない。このトレーニングキャンプをどれだけ密度を濃いものにできるかで、本戦(の出来)も変わってくる。全員集まったので、もう一回集中してやっていこうという話でした」
「競争より共存」の重要性を説いた西野監督だが、もちろん、闘争心をしまっていいという旨ではない。宇佐美は「競争心も忘れちゃいけない。お互いに尊重し、リスペクトし合いながら接していくなかで、競争意識と共存意識を良いバランスにしないといけない」と解釈する。
「クラブを指揮していた時と、基本的には変わらない。懐かしい感じがしますね。言葉が独特というか、表現は西野さんらしさがあって、個人的にはスッと入ってきます。ガンバ時代は『サッカーのチームは生き物と一緒だから』と話されたことがありますが、僕はそれ以来、同じことを言う監督と出会っていない。チームは生き物ということを全員でしっかり考えて、上手く進んでいかないと。全員が同じ方向を向いて進んでも良い結果が得られるとは限らないし、それがサッカーの難しさなので」
6月のロシア・ワールドカップ開幕まで残された時間は1カ月を切っているが、西野監督の“言葉力”が監督交代の衝撃に揺れたチームを立て直す切り札になると期待したい。
(FOOTBALL ZONE編集部)