ウェイン・ルーニーの逆襲 英メディアの中で膨らむ「限界説」を吹き飛ばせるか

不要論が渦巻く中で2014年の初ゴール、代表39得点目をマーク

 

 こうしてエクアドル戦は「不要論」が渦巻く中、エースとして屈辱的とも言える、左サイドでのオーディション的な起用をされたルーニーにとって、その進退をかけて臨んだ試合になった。

 そこでルーニーは、しっかりとゴールという結果を残した。

 代表39ゴール目となった2014年初ゴールは、決して美しいものではなかった。

 前半29分、アーセナルの若きMFオックスフォード・チェンバレンが右サイドから放ったクロスが起点になった。

 まずはゴール前につめていたランバートが胸トラップでこのクロスを足元に落とし、右足のヒールでゴール左隅に流し込もうとした。しかし、このシュートは左ポストを直撃。そのリバウンドも、リバプール移籍が決まったばかりのランバートの足元に戻ってきたが、そのボールをひったくるように、右足を引っかけたのがルーニーだった。

 この試合、左サイドで先発したルーニーは、何度も果敢に最前線に飛び出し、そこでスコールズの忠告を噛み締めるように、PAボックス内に留まっていた。

 このゴールもそんなルーニーのゴール前1メートルの位置に留まるポジショニングが生み出した。しかも同僚FWからボールを奪い取るようにしてなりふりかまわず決めた。

 今のルーニーに必要なのは、このどん欲さ、ハングリーさである。

 スコールズは27ゴールを決めた2011-12年シーズンを「ルーニーのピーク(全盛)」と評したが、ゴールラッシュは、クリスチーナ・ロナウドが去り、ついに念願の1トップの位置をつかんでリーグ26ゴールを記録した、2009-10年シーズから始まった。

 翌シーズンは、南アフリカW杯での不振に続き、シーズン開幕直後の8月に、新たなエスコートガールとの不倫騒動が暴露されたあげく、ファーガソン監督にエジル獲得を要請して、「お前の領分ではない」とたしなめられたことから、ルーニーはマンチェスター・U退団を宣言してしまう。

 

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