W杯連覇になでしこジャパンが宮間のPKで白星発進
一進一退の攻防
なでしこジャパンは、8日(日本時間9日)、女子FIFAワールドカップカナダ大会初戦でスイス代表と対戦し、MF宮間あやのPKによるゴールで1-0で勝利した。連覇に向けて白星発進した。
バンクーバーのBCプレーススタジアムで迎えた初戦。今大会全競技場が、人工芝のピッチという難しい環境となるが、なでしこジャパンは、11年ドイツ大会王者という気負いもなく、試合開始前の記念撮影では笑顔を浮かべていた。FIFAランク4位の日本は、攻撃陣のタレントと前線からの強烈なプレッシャーを武器とする同19位のスイスと同じ4-4-2システムでスタート。序盤から見応え抜群の攻防を続けた。
前半8分に はDF宇津木が個人技で左サイドを突破、MF宮間とワンツーでチャンスをつくる。直後の左CKでDF岩清水が宮間のクロスにヘディングで合わせ、この試合初のシュートとなる。
その2分後には、FW大儀見が前線のスペースにループパスを送るが、FW安藤には惜しくも届かず。
一方、スイスはディケンマンと、バックマンの2トップを起点にチャンスを伺う。最初のチャンスは、スイスに訪れた。前半13分、スルーパスにバックマンが抜け出すが、身長187センチのGK山根が完璧な飛び出しで決定機を防いだ。
◇体を張った安藤がPKを獲得
試合は26分に動いた。前線に供給されたループパスに安藤が走り込む。右足でループシュートを狙ったが、前に出た相手GKタルマンと交錯。GKの膝が安藤の胸に入る危 険なプレーとなり、タルマンにはイエローカードが出され、PKが与えられた。
このチャンスでキッカーを務めたのは、頼れるキャプテン宮間。GKと駆け引きしながら、ゴール左に値千金の先制点を突き刺した。宮間は両手を地面に突き下ろし、ガッツポーズを決めた。
だが、このGKとの激突で安藤が足首を痛め、FW菅沢と交代。その後は一進一退の攻防が続いた。
「1試合1試合すべての試合に勝って、最高峰に立ちたいですが、今はスイス戦に全神経を注ぎたい」
試合前日にそう語っていた佐々木監督は、苦心の采配を振るう。後半12分、この日が国際Aマッチ記念すべき200試合出場となるMF澤を下げ、DF川村を投入。一進一退の展開の続く中、23分には菅沢が前線で反転後、シュートを放つ。 これは相手DFのスライディングでわずかにコースが変わり、右ポストを直撃する惜しいシーンもあった。
前回大会も初戦ニュージーランド戦で苦しみながら、2-1で勝利。そこから頂点にたどり着いた。今回も欧州の新興勢力スイス相手に勝ち点3をもぎ取った。なでしこが連覇に向けて大きな一歩を踏みしめた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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