時代を彩ったバルサの8と6の物語 シャビとイニエスタに訪れた最高の結末
二人の友情
しかし、寄る年波に勝てぬことは、誰もが分かっていた。今年で35歳を迎えたシャビは、徐々にシーズンを通しての活躍が難しくなっていった。今季は、リーグ戦31試合に出場したものの、先発出場はわずかに19試合。左ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂の重傷を負った2005-06シーズンを除けば、この10 年間で先発出場が20試合を切ったことは一度もなかった。世代交代の時が迫っていることを如実に感じさせた。
そして、ついに今年5月、シャビは今季限りでのバルサ退団を発表した。クラブから契約延長の打診があったことを認めた上で「今が出て行く時だと思う」という言葉を残し、チームを去る決断をした。新天地はカタールのアル・サッドに決定している。
3日には、シャビのお別れ会見が開かれた。イニエスタはそこで「君のいない練習なんて考えられない。こんな日が来てしまうなんて…」という言葉をシャビに贈っている。イニエスタの思いに涙するシャビ。偉大な仲間として、先輩として、そして友人として戦ってきた2人の固い絆がうかがえる印象的なシーンだった。
バルセロナは、その偉大な旗頭とともに“ビッグイヤー”を掲げるため、再びCLのファイナルにたどり着いた。