ハリル解任で「チャンスが巡ってきた」 夢のW杯へ、武藤嘉紀が刻んだ“8得点”の価値
現状のコンディションに手応え「90パーセント近い」
「今のコンディションは90パーセント近いんじゃないですか。もちろん、この後もトレーニングはします。こんなところで休んで、コンディションを落とすのも馬鹿らしい。ワールドカップが終わるまではすべてを出し切るために、そこに合わせて100パーセント以上のコンディションに持っていけるようにしたいです。明日もトレーニングをしっかりやって、明日帰っちゃうと筋肉が固まってしまうので、もう一日身体をケアして、次の日に日本へ帰ろうかなと思います」
まずは14日にFIFA提出期限を迎える予備登録メンバー35人に入り、30日のガーナ代表戦メンバーに選ばれるかどうか。そして31日に発表予定のW杯本大会登録メンバー23人に入るか否か。心して、それでも粛々と吉報を待つ。
「(代表発表は)ソワソワする? 分からないな。それよりも、ガーナ戦の後に23人が発表されるのか、それとも少し多く呼ぶのか。(段階的に)28人になるかもしれない? そこになってから緊張するんじゃないですかね。その前は(選出されても落選しても)緊張はしないです。やることはやったので。あとは、神に祈るしかない」
紆余曲折はあったが、所属チームで果たした成果はある。手応えはある。日本のために、必ず貢献できる。5月12日、マインツのオペルアレーナのミックスゾーンで、ロッカールームへ去る武藤嘉紀の背中がそう言っていた。
(島崎英純/Hidezumi Shimazaki)
島崎英純
1970年生まれ。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動を開始。著書に『浦和再生』(講談社)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信しており、浦和レッズ関連の情報や動画、選手コラムなどを日々更新している。2018年3月より、ドイツに拠点を移してヨーロッパ・サッカーシーンの取材を中心に活動。