ミランサポーターがピッポに届けた感謝の思いと、クラブへの怒り
離れてしまったサポーターの心
クラブ側は欧州のカップ戦入りを目標に掲げたが、移籍金ゼロなどの格安補強で固めたチームはサポーターの目からもタレント不足は否めず。クラブ首脳陣に対する怒りはイ ンザーギ監督に対する処遇で沸騰した。
「彼らはあなたをゴミの山に捨てた。吐き気を催すようなやり方で扱った。あなたに決定事項を伝える前に、代わりの監督を探そうとした。ミランはかつてクラブレジェンドをたたえるクラブだとみなしていたが、今我々は、ミランの腐りきった中枢部を隠すために最も偉大なシンボルの1人を使うようなクラブだとみなしている」
インザーギ監督の解任のプロセスに対し、シーズン中に退任を迫ったベルルスコーニ会長らを断罪。声明の最後には、インザーギ監督と同時に解任となるコーチのマウロ・タソッティ氏にも謝辞をささげていた。
ミランは昨季のクラレンス・セードルフ前監督に続き、インザーギ監督というクラブレジェンドを指導者経験を持 たないことを理解しながらも就任させた。その揚げ句、契約期間を残しながらも任を解いた。2年連続で欧州のカップ戦出場を逃し、ワールドクラスのタレントもいない。地に落ちた名門から、サポーターの心は離れてしまったのかもしれない。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images