ミランサポーターがピッポに届けた感謝の思いと、クラブへの怒り

変わらぬ忠誠を示した指揮官への感謝

 ACミランは、フィリッポ・インザーギ監督が今季限りで退団となり、シニシャ・ミハイロビッチ新監督の就任が決定的な状況となっている。ミランのサポーターは、レジェンドに対するクラブの対応に「吐き気を催す」と厳しく批判した。一方で、ピッポ監督に感謝をささげている。
 ミランのウルトラス「クルバ・スッド」というサポーター組織は、公式サイトで「さようなら、ピッポ」と題した声明を発表した。ゴール裏に陣取るこの組織は、シルビオ・ベルルスコーニ会長や、アドリアーノ・ガリアーニCEOの強化費を惜しむチーム経営に激怒し、今季スタンド 観戦や公式グッズの不買運動を展開していた。
 インザーギは現役時代、「スーペル・ピッポ」と呼ばれ、欧州屈指のストライカーとしてミランに歓喜をもたらした。彼らは、その当時の活躍に、まず感謝の意を示した。
「2001年の夏から長い時間がたった。ユベントスからあなたが移籍するのを見た時は違和感を覚えたし、すぐには相思相愛にはならなかった。それでも、あなたにはミラニスタ(ミランサポーター)全員の心に届く才能と不屈の闘志があった。2003年にチャンピオンズリーグのトロフィーを掲げることができたのは、あなたのおかげだ。決勝戦まで導いてくれたのだから」
 そして、指揮官としてチームへの変わらぬ忠誠を示した、監督としてのインザーギ氏の働きぶりをたたえた 。ただ、一方で、クラブのサポートが不十分であったことを厳しく攻め立てた。
「忘れられない最高の思い出がある。あなたのことを思う人間にとって、今日は悲しい瞬間だ。7月にやってきた。そして、使命をかなえるにはそぐわないチームだったが、あなたはベストを尽くした。心血を注いでくれた。我々は常に感謝している。クラブが貧弱な補強方針と、約束を破り続けたことに対する批判を隠蔽(いんぺい)するために、クラブが背を向ける間も、我々はあなたをサポートしてきた」

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