ブンデスリーガが愛される理由 ドイツ人ファン証言「優勝争いに緊張感はないけど…」
現状に不満があっても「やっぱり好き」
なんだかんだいろいろと現状について文句を言っていたみんなも、サッカーのことを話し出すと止まらなくなる。そして最後は「それでもやっぱり好きなんだよなぁ」と、自らの“サッカー愛”を噛み締める。
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来季はドルトムント、シャルケ、レバークーゼン、RBライプツィヒ、ホッフェンハイムらが頑張りを見せて、勝たないまでもせめてそれぞれが引き分けに持ち込み、今季よりもスリリングな展開にしてくれるかもしれない。だが、そうした包囲網をものともせず、ニコ・コバチ新監督が率いるバイエルンが結局独走して、7連覇を達成してしまうかもしれない。
それでもドイツ人ファンは、スタジアムに足を運ぶだろう。楽しみとは与えられるものではなく、作り上げていくものだと知っているから。タイトル争いとはまた異なる喜びや刺激を、彼らは日々愛するサッカーに見出している。
(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)取得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなクラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国で精力的に取材。著書に『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。