迫るFBIの捜査の手 再選から4日、FIFAのブラッター会長が電撃辞任

トップ交代で進む自浄効果

 FIFAのゼップ・ブラッター会長がワールドカップ(W杯)招致などを巡る贈収賄疑惑の高まりを受けて2日に電撃辞任を表明した。再選からわずか4日の辞任の裏では、FBI(アメリカ連邦捜査局)の捜査の手が迫っていたと、米テレビ局「ABCニュース」が報じている。
 米司法当局は、W杯招致などに絡んだ汚職事件で現職副会長2人を含むFIFA高官を逮捕。その責任を取った格好だが、FIFA会長選の時点で既に逮捕者は出ており、会長選ではUEFAのミシェル・プラティニ会長から退陣を迫られても怪気炎を上げていた。
 電撃辞任の裏では、この汚職事件に関連し、元会長に対してFBIと、米司法当 局が捜査を進めていたという。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が、ブラッター元会長の懐刀であるジェローム・ヴァルケ事務局長が、2010年南アフリカW杯招致に関する賄賂の不正送金に関与した疑いを報じるなど捜査の手は迫っていた。元会長は、逃げきれないと判断したのだろうか。
「我々は(汚職にまつわる)組織全体を崩壊させることはできないかもしれないが、その必要もないのかもしれない」
 ABCテレビによると、FBI関係者はそう語っており、腐敗を極めていたFIFAがトップ交代によって自浄効果が進むことを期待していた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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