ミラン名物会長の秘策 アンチェロッティがノーならドナドーニ

来季は経験豊かなOBが指揮へ

  ACミランは現在、来季新監督としてレアル・マドリードを退団したカルロ・アンチェロッティ監督の招聘(しょうへい)に全力を尽くしているが、固辞された場合、ミランOBでパルマのロベルト・ドナドーニ監督をリストアップしているという。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じた。
 ミランは今季セリエA10位に終わり、来季いっぱい契約を残すフィリッポ・インザーギ監督を解任して新体制で臨む方針を固めている。既にアドリアーノ・ガリアーニCEOがマドリードまで飛び、アンチェロッティ監督の招聘に直接交渉を行った。また、シルビオ・ベルルスコーニ会長も直接電話で説得に当たったが、レアル退団時には休暇を取ると明言していた。現在、カナダで座骨神経痛の手術を受けている 。
 アンチェロッティ監督が、2年連続で欧州のカップ戦進出を逃したミラン復帰オファーに「ノー」を突きつけた場合、元イタリア首相の名物オーナーには策があるという。現役時代ミランの中盤で活躍し、イタリア代表の監督も務めた経験を持つOBであるドナドーニ氏のミラン復帰だという。
 ドナドーニ氏は今季破産宣告でセリエB降格の決まったかつての強豪パルマで、自身を含めた選手、スタッフが給料未払いという危機的状況の中、最後まで指揮を執るオトコ気を見せた。契約解除や、人件費削減で主力が次々とチームを去って勝ち点も剥奪される中、チームをまとめ、王者ユベントスをホームで撃破するなどの手腕を見せた。
 手腕と、人望の厚い経験豊かなクラブOBの招聘をベルルスコ ーニ会長は検討しているという。ミラン残留を熱望する日本代表MF本田圭佑は次期監督に必要事項について、「トップレベルでの指導経験」と話していた。セリエAナポリ、アズーリを指揮したドナドーニ氏は、その指揮官像に当てはまりそうだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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