ロシア、W杯開催は赤字試算? スタジアムは“負の遺産”か、国家予算から補填も
W杯後、1年間のスタジアム維持費10億円…回収の見込みは年間7億円で赤字か
分析されたデータに基づくと、W杯終了後、スタジアムによっては総観客数の10%から20%程度しか埋まらないと見られている。スタジアムの維持費も決して安くない。データでは4万から5万人規模のスタジアムの維持費は一年間でおよそ6億ルーブル(約10億円)。仮にスーパースターのコンサートやスポーツイベントに使用されたとしても、4億ルーブル(約7億円)程度しか回収できないという。
記事では、赤字分は国家予算から捻出しなければならないだろうと指摘。「実際、地方は政府にスタジアム維持費を捻出するように依頼した」と報じている。ロシアスポーツ省は4月初頭、スポーツ施設の維持を目的とした「遺産プログラム」を発表。2023年までを踏まえて、スタジアム維持費として129億5000万ルーブル(約226億円)を支払うという。
「2010年12月にW杯開催国に決定した時、ロシアには潤沢な資金があり問題なかった」と記事では言及。その結果、準備プランは壮大なものとなったが、情勢が一変して一部のプロジェクトは頓挫した。その一方で、新しい道路や沿岸の整備、橋や空港の建設なども進められ、W杯以降も活用が期待されているものもある。
W杯開催後のスタジアム運営は大きな課題だが、果たしてロシアでも“負の遺産”となるのか。大国の対応策に注目が集まる。
(FOOTBALL ZONE編集部)
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