昨季J1王者川崎を襲う“機能不全” バンディエラ中村憲剛が説く「イメージの共有」
「連動性は人が変わったなかでもやれないと」
後半、中村が投入された後の10分程度は川崎ペースが続いた。「そこで1点が取れれば、流れは全く別のものになっていたと思う」と中村も振り返る。ただ、そこで得点を奪い切れないと攻撃は再び機能不全を起こし、最終的には2失点目を喫して“多摩川クラシコ”は完敗に終わった。
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中村はこの試合で明確に現れた“イメージの共有”という課題に目を向けている。
「先に失点していたので、そういう相手をどう崩すのかはやっぱりみんなで共有しないとダメかなというのはやりながら(感じた)。外から上げるのか、それとも下で動かすのか。中もセンタリングを待つのか、ペナ(ペナルティーエリア)の中で一人二人の崩しをするのか。そういうボールを持った時にいつそれをやるのか、連動性というのは人が変わったなかでもやれないといけない。特に今日はフレッシュな選手が出ているので、もっと攻守にやれていれば良かったなというのは外から見ていても思った」
FC東京の戦いが徹底されていたなかで、中村は「自分たちがどう崩すのかというところ。ああいう守備をしてくるのは分かっていて、どう崩すのかをみんなで共有できなかったのはすごく残念」と悔しさを滲ませた。
ACL出場組の川崎はルヴァンカップがないため、次の試合までは1週間空く。この期間でどれだけチーム全体のイメージの共有を図ることができるか。中断期間までの残り二つのリーグ戦を勝利で終えるために、このホーム連敗を糧としていかなければならない。
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。