昨季J1王者川崎を襲う“機能不全” バンディエラ中村憲剛が説く「イメージの共有」
先制を許した後は、攻めたところでカウンターを食らう悪循環に陥る
互いの意地とプライドを懸けた“多摩川クラシコ”の敗戦に、川崎フロンターレのバンディエラは厳しい表情を浮かべていた。川崎は5日、J1リーグ第13節でFC東京と対戦したが、セットプレー2発に泣いて0-2で敗戦。前節の浦和レッズ戦(0-2)に続き、ホームで連敗を喫してしまった。
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試合後、川崎のMF中村憲剛は厳しい表情で第一声を発した。
「今はこれが現実。特に言うことはあまりないですけど、せっかく3連勝したのにホームで2連敗というのは非常にもったいない。もう一度、誰が良い、誰が悪いではなくて、一人ひとりが攻撃も守備も同じ方向を向いてやらないといけない。簡単ではない。もっとやらなければダメだと思います」
この日、川崎は過密日程もあって選手たちの疲労を考慮し、水曜日に行われた浦和戦からスタメンを7枚変更。「出るメンバーが変わりそうなのでフレッシュさが大事になる。最後まで気の抜けないゲームになると思う」と試合前日に中村が語っていたように、出番を与えられた選手たちがどんなパフォーマンスを披露するかが勝敗のポイントだった。
しかし、前半から川崎の攻撃はどこかちぐはぐしていた。パスワークに固執し過ぎるあまりスピーディーな攻撃が生まれず、サイド攻撃にしても中央との意思疎通の不足が目に付いた。思うようにチャンスを創出できず、一本のセットプレーから失点。先にリードを奪われたことで相手が構えているところに突っ込んでいくしかなく、逆にカウンターを食らう悪循環に陥っていった。
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。