「いつもなら想像し得ないことなので少しびっくりした」

　ベンゲル監督は試合後、英衛星放送「スカイ・スポーツ」のインタビューにこう答えている。かつては覇権争いを巡って丁々発止のトークバトルを繰り広げた三人だが、監督という役割をこなしていたからこそ、理解し合える感情があったのだろう。「いつもなら想像し得ないことなので少しびっくりしたけど、人生は続くということだ」と話すと同時に、こうも続ける。

「本当に長い期間、私はこのオールド・トラッフォードに足を運んできた。来シーズン以降は別の誰かがベンチに座り、とても敵対的な歓迎を受けるだろうけどね。心配はしていないよ」

　ベンゲル監督らしいエスプリの効いたコメントでライバルを称えた。ピッチ上での激しい戦いとともに、舌戦もエンターテインメントの一つとして捉えていたからこそ、ユナイテッド側も最大限の敬意を持って敵将を送り出したのだろう。