“J1初参戦”で注目度急上昇中の長崎 クラブと地元に起きている劇的変化
運営上の問題が発生するもすぐさま改善、対応力の高さを発揮
スタジアム内でも、長く運営ボランティアのリーダーを務める大山昇さんが「スタッフは増えたが、十分に回っていない」というような状態で、試合後には髙田明社長が「集客に力を入れたが、入場者のホスピタリティ部分が不十分だった」と反省を口にしたように、スタジアムグルメやグッズ販売で大混雑を起こしてしまっている。
それでも、そのわずか1週間後の浦和レッズ戦では、駐車場誘導を徹底して、グッズ販売のシステムも刷新、入場者の待機列も整理して劇的な改善ができた点は、さすがの対応力とも言えるかもしれない。
こうして、時に失敗をしながらも徐々に経験を積んでいる長崎だが、J2でのシーズンを知るスタッフにとって、身近に感じる変化はやはり周囲の反応のようだ。「テレビに映っていたねと言われることが増えた」「ご飯を食べにいけば、隣の席でV・ファーレンの話題をしている人が増えた」。そんな話は取材中に何度も聞いた。J1昇格を機にクラブの浸透度は着実に深まっているということだろう。
集客も運営もまだまだ改善点は多いが、こういった変化を経験して「J1のある街」となっていくに違いない。そう、まだまだ長崎は途上なのだ。成功も失敗も改善も全てを糧にして今も長崎は成長している。
(藤原裕久 / Hirohisa Fujihara)