16歳FW久保建英、好調FC東京で直面する“J1の壁” 確かな成長の陰に潜む課題とは?
「パスを引き出すくらいはっきり動いたり、信頼を勝ち取らないと」
大森は今季リーグ戦全試合に先発出場し、平均プレー時間87.8分で走行距離10.549キロ(90分換算で10.813キロ)を記録。東も名古屋戦以外は全てスタメンに名を連ね、平均プレー時間80.1分で走行距離10.407キロ(90分換算で11.687キロ)という高い数値を残している。リーグ戦出場4試合はいずれも途中出場で、20分以上プレーしていない久保との単純比較は難しいとはいえ、プロ2年目の16歳に先輩級の持久力とインテンシティーを求めるのは現実的ではないだろう。
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久保は今、まさに「プロの壁」「J1の洗礼」と戦っているわけだが、安間コーチは「タケにとってはすごく良い時間」だと話す。
「ジュニアユース、ユースではどうしてもポジションを与えられがち。でも、たとえどんなに上手い選手に対しても、健太さんはディフェンスや運動量を求める。だから、やることをやらなきゃ試合には出られない」
安間コーチによれば、運動量や守備以外にも磨かなければいけない要素があるという。現在は前線にD・オリヴェイラという絶対的な存在がおり、チームメイトたちのファーストオプションは必然とブラジル人ストライカーになる。ある意味で、以前よりも“パスをもらえる確率が低い”状況を打開しなければ、たとえピッチに立っても久保は自分の持ち味を発揮しきれないのだ。
「トップチームの練習やJ1公式戦を経験することで、コンタクトも強くなってきているし、運動量も増えてきている。ディエゴ(オリヴェイラ)がいるなか、チームのサッカーが速くなるなかで、どうやってボールを受けるか。自分のところにパスを引き出すくらいはっきり動いたり、(周囲の)信頼を勝ち取ることを練習からやっていかないと」
久保が日本サッカーの将来を背負って立つ才能を秘めているのは周知の事実。目の前の課題を乗り越え、レギュラーを奪取するほどのステップアップを遂げる姿が楽しみだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)