ハリル前監督、電撃解任の“反論会見”全文【後編】 「協会は大きなリスクを背負った」
「他の歴代監督にも聞いたが、分からない、なんでなんだと」
――コミュニケーション不足が解任理由と聞いているが、これまで海外のチームの指導を経験してきて、同じような理由で解任されたことはあるか? こういった理由に関してはどのような考えでしょうか?
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「初めてです。今まで聞いたことがない。全てを覚えていないが、コミュニケーションというのはあまりにも広い意味過ぎて、具体的に誰なのか、どういうことなのか教えてほしい。再来日で滞在して5日、6日目、多くの人が来て話をしていった。よく私には事情の分からないことが、知らないところで行われているような気がする。
W杯の日本代表23人を選ぶのは、日本だけでなくどこの国でも多くの軋轢が起こる問題だ。監督及び選手にとって、W杯出場にはどんな意味があるのか。その選手や監督にとって、素晴らしいプロモーションであり名誉なことだ。全ての試合に負けたとしても、W杯に出たというのは非常にポジティブなイメージだろう。本当に傷ついている理由は、W杯に出られる、全てが整い始めているところだった。これから千葉、オーストリア、ロシアへの遠征が控えている。全ての準備を今後、事務局と整えようとしていた。ディテールを詰めるところだった。どれだけ大変な仕事量か。ここ2カ月、ああコロンビアという感じだった。日本対コロンビアのビデオを10回は見た。
言い忘れたことがあった。2月に海外組の吉田(麻也)、長友(佑都)、(川島)英嗣、長谷部(誠)などと会い、どうしているかという話もした。コミュニケーションの問題はなく、選手たちもモチベーションも高かった。なぜか2カ月後にはコミュニケーションが薄らいだのだという。誰となのか。準備が全て整ったなかで次の監督に引き継ぐことになった。これから4週間ともに働けるとワクワクしていた。どこまでいけるか分かっていた。
だが、会長が来て、サヨナラと。突然の出来事で、事前に何も知らされていなかった。なんでなのか知りたい。教えてください。他の歴代監督にも聞いたが、分からない、なんでなんだと。どうぞ真実を私だけでなく、サポーターや多くの皆さんに、なんだったのかと。おまけにこの時期だ。どうしてなのか。こういう時期に、こういう結果というのは、本当にこれで良いのだろうか。準備したとは言っても、舞台はW杯だ。
今の私がどんな心の内か分かってもらえるだろうか。私が街で出会うサポーターがどんな声を掛けてくれるかをご覧になれば分かってもらえる。この段階で協会はかなり大きなリスクを背負ってしまった。フランスでは、『え?日本でそんなことが起こるの?』と聞かれる。日本はリスペクトがありお互いに尊重し合う国だと聞いていたし、そう思っていた。皆さんに問いかけたい。代表監督に対するこういうことは、いかがなものだろうか。私が理解しやすかったのは、ウクライナに負けたからなどと、結果をぶつけてくれれば理解ができた。会長にベルギーに来てもらおうと思った。別件が入っていると言われた。W杯まであと一直線、いろいろな準備があるからぜひ来てくださいと言った」