ハリル前監督、電撃解任の“反論会見”全文【前編】 「誰か一人を批判したことはない」
「コミュニケーション不足。それによって私は怒りが沸き立ってきた」
つまりは、W杯のための調整であって、何を求めているかは私自身がちゃんと分かっていた。いろいろと満足もしていたし、選手についての情報やデータも得ていた。一番重要な23人の選手を選抜するということになっていた。そこでこういった問題が始まった。
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いろいろな情報が私の耳に入ったものの、私の仕事に専念していた。ただ、その時にやるべき試合、プレーになっていなかったと言う人もいた。だから、こうした合宿をして1カ月調整して、こんなに問題が出てこなくてはいけないのかと。なぜ(田嶋幸三)会長も西野さんも「ハリル、問題があるぞ」と言ってくれなかったのか。一度としてもだ。何があっても、誰も何も言わなかった。
マリ戦の後にパリに行って、フランス対コロンビアを見た。その後にベルギーのリエージュに戻ったのが午前4時か5時。そしてそこで話が来た。一人の選手があまり良い状態ではないと。私はそのことを分かっている、あとで解決できるといった。残念ながらそこでいろいろなことが起こった。会長が多くの選手や多くのコーチに連絡を取って、私やジャッキー(・ボヌベー)、シリル(・モワンヌ)、GKコーチとか、何が起こったのかは説明がなかった。私にとってもびっくりしたことであり、コーチにもビックリだった。
4月7日にパリに会長から呼び出しがかかり、なんのことか分からずホテルに行った。挨拶をして、腰を掛けて、ハリルさん、これでお別れすることになったという話があった。最初はジョークだろと思った。1分が経ってなぜかを言ってくれと言った。つまりはコミュニケーション不足。それによって私は怒りが沸き立ってきた。そこでどの選手と、どのコーチと言えば、全般的にという答えだった。
5分が経って部屋を出た。動転して、何が起こったのか分からなかった。私と一緒にやってくれているコーチに電話をした。一人はイングランドにいて、一人はドイツにいた。そこで選手たちの視察をしていた。それで言った。家に帰りなよ、終わったから、と。コーチたちの反応がどうだったかはご想像ください。このように会長からその話をされた。3年間やってきたことに対して、監督をしてきた人間へのリスペクトがないのではないか。コーチ仲間へも同じ思いがある。
(昨年12月E-1選手権の)韓国戦の後に解任ということを考えたという話も聞いた。それなら、私も少しは理解できる。W杯よりいかに日韓戦が重要かというのは分かっているからだ。私自身から全てを話したいと思った。やはり監督というのはいろいろと難しい思いをすることがある。すでに1回同じ思いをした。24回試合に負けて、その後に解任されたこともある。その前は会長ではなく大統領が決めたという話もあった。まだまだあるが、皆さんから質問をいただいて応えたい。
(FOOTBALL ZONE編集部)