ハリル前監督、電撃解任の“反論会見”全文【前編】 「誰か一人を批判したことはない」
「(監督に)就任したのはW杯があるからこそだった」
この3年間でしっかりと成功を手にして、誰もが満足をした。今度は第3ステージに入る。それがW杯だった。就任したのはW杯があるからこそだった。そこで海外遠征を2回やった。その際には世界最高峰のチームとの試合をセットした。
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まずは去年の11月、そして今年3月の海外遠征。私の頭の中ではW杯への調整だと思っていた。特に中盤とFWについて、何か良い解決策はないかと探していた。だからW杯が要求してくるもの、パフォーマンスが出せるものを求めていた。今まで以上に選手が幅広い力を持ってプレーできるようにと考えた。結果のことはあまり頭になかった。
ブラジルは世界一のチームだ。それに対して良い結果、凄い結果を出せるとは思わなかった。あくまでもそういった試合によって経験を積ませることができればと思った。ブラジル、ベルギー、マリ、ウクライナの結果は満足のいくものではないかもしれない。だが、そうであったにしても、そこから多くの教訓は引き出せた。
例えば、ブラジル戦、後半に2回ゴールのシーンがあった(実際は1ゴール)。ここ数年間の試合を見てください。ブラジルに対して二つゴールを決めたチームがいますか。特に、前半の20分は大変酷い状態だった。その後にロッカーに戻ってハーフタイムに、ハイレベルなチームにどうすべきかという話をした。あの試合の後は選手を大いに褒めた。ベルギー戦、ほぼ完璧とも言える試合だった。負けたといっても、ドローにでも、もしかすれば勝っていたかもしれない試合だった。そして、私としてはこの試合で代表チームに組織力があり、自分たちのプレーで支配できたことに満足していた。サッカーという意味で、ベルギーへの遠征はそんなに良くなかったかもしれない。ただし、そこでいろいろなデータや情報を引き出すことができた。それも本当なら、いつもレギュラーでいる7人、8人がチームに入っていない状態だった。
前みたいにパフォーマンスが良くない選手がいると私は見て取った。頭の中ではどうすべきかということを考えた。11月の合宿には18人の選手を呼んで、2回目の遠征には選手22人とGK2人。選手たちを試していた。ご覧いただいたように中島(翔哉)を呼んだ。みんなにしてみれば心配だったかもしれないが、とても良い選手だった。