【データ分析】ハリルJ「最終戦」で拭えなかった疑念 “チグハグ感”が解任の決定打に?
右サイドアタッカーとして“失格”だった本田のプレー
次に、この試合で約半年ぶりに先発したFW本田圭佑(パチューカ)のパフォーマンスは、どうだったのだろうか。左サイドで出場したFW原口元気(デュッセルドルフ)、起点となるべき1トップで起用されたFW杉本健勇(セレッソ大阪)、切り札として起用されたFW中島翔哉(ポルティモネンセ)のデータとともに傾向を見てみたい。
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[DATA-6]は、各選手の数値をフル出場(97分)に換算したものだが、本田に最も多くのパスが集まり(47本)、最も多くのパスを出している(43本)のが分かる。だが一方で、本田が前線の選手に出したパスはわずか6本だけ。もちろん、オーバーラップしてくるサイドバックやボランチの選手へのパスが決定的な攻撃に結びつくことは大いにあり得る。しかし他の選手と比較して、圧倒的に前の選手へのパス数が低い。
それでは、さらに分析を進めるために日本の両サイドを務めた本田と原口のプレーエリアとプレーパフォーマンスを見てみよう。[DATA-7]の図を見れば一目で分かるように、原口の方が本田より相手のゴールに近いエリアでプレーしている。
それは数値上でも証明されている。[DATA-8]のとおり、本田はプレー全体の3分の2がミドルゾーンでのもので、アタッキングゾーンはわずか4分の1。また、そこでのプレーの成功率は59%だ。一方の原口は、40%弱をアタッキングゾーンでプレーし、そこでの成功率も73%と高かった。
これを見る限り、本田はアタッカーというより一列後方のプレーメーカーとしての役割をこなしていたことになる。一方、途中交代の中島は初戦よりも出場時間は短かったがこの試合においても攻撃の切り札として十分な役割を果たしていた。短時間に3本のシュートを打ち、そのうち2本は枠内シュートだった。