【データ分析】ハリルJ「ラスト2戦」の真実 マリ戦で見えた“アフリカ対策”の意図と問題点
「仕掛ける&仕留める」エリアでの精度の低さ
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次に守備の組織力が不十分な相手を攻略するために、このマリ戦で日本が試みたポゼッションやパスに関するデータは、どのような数字になっていたのだろうか。
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[DATA-5]によれば、前半のポゼッション率は50%対50%だったが、後半は58%対42%と日本が大きく上回った。それは前半44分に、マリがPKによる先制点を奪ったため、後半はかなり守備的に戦ったからだろう。
ポゼッションの内訳を見てみると、プレー数は日本103回とマリ99回、平均保持時間は日本17秒でマリ15秒と、ここでは大きな差はない。しかし相手陣内でのポゼッションの割合が日本の59.2%に対してマリが52.5%と、ここでは6.7%と少し差が出ている。
次にポゼッションしてアタッキングサードへ侵入した割合を見ると、日本36%、マリ31.3%でその差は4.7%、そしてペナルティーエリア内侵入は日本13.6%、マリ12.1%と1.5%の差になっており、相手ゴールに近いポゼッションほど、割合の差が縮まっていることになる。これは、ボールを保持して攻撃する意図を持っているものの、最もプレーしたい相手ゴール前へ近づくほど、そのプレー数が相対的に減っていることを示す。
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それでは、続いて各エリアでのパス精度も[DATA-6]で見ていこう。
アタッキングサードは別名ファイナルサードとも呼ぶ。つまり「最後の仕掛けをするエリア」という意味だ。一方、ペナルティーエリアは「仕留めるエリア」だ。「仕掛けること」と「仕留めること」では役割は異なるが、良い仕掛けが最終的に仕留めることにつながる。総パス数、ミドルゾーンへのパスを見ると、日本代表のパス成功率は85%超えという高い数値だったが、「仕掛けるエリア」であるアタッキングゾーンへのパスからその成功率は一気に低くなってマリに逆転され、「仕留めるエリア」であるペナルティーエリアへのパス成功率は、日本の46.2%に対しマリが53.3%と大きく下回っている。
それぞれのエリアにおけるチャレンジの数は日本が圧倒していたが、それが成果に結びついていなかったことがデータから見て取れ、この試合に限らず現在の日本代表が積み残している課題だと言える。