“バイエルン一強”のブンデスリーガは面白い? ドイツ人ファンが吐露した不満と改善案

議論呼ぶ月曜開催、放映権で潤うのはトップクラブばかり

 なるほど、試合日についてはいろいろなところで議論を呼んでいるようだ。

 今年からUEFAヨーロッパリーグ出場チームの負担を減らすために、年間5節で月曜日に1試合を開催するようにしたが、これが大不評。最初に行われた2月19日の第23節フランクフルト対RBライプツィヒの一戦で、ハーフタイムにフランクフルトファンがテニスボールを大量に投げ込む抗議のアクションをしてから、これが恒例になってしまった。

 4月16日の第30節マインツ対フライブルク戦では、トイレットペーパーが投げ込まれた。もっとも事前に連絡がいっているので、整理人はごみ箱を片手に黙々と片付ける。スタジアム中で起きる彼らへの拍手までがワンセットだ。

 そういえば、このマインツとフライブルクのファンは、「土曜日15時30分ブンデスリーガ+焼きソーセージ+ビールが俺たちの日常」だとアピールしようと、空いた土曜日にスタジアムでファン同士の試合を開催。これには、他クラブのファンからも賛辞の声が上がっていた。

 試合日を分けることは選手の負担どうこうというよりも、テレビ放映権収入が絡んでいるのはみんなが分かっていること。これについては、私の教え子であるルイスが噛みついた。

「俺が言いたいのはTV収入をフェアに分けてほしいということだね。トップクラブが収入をどんどん増やしていくんじゃ、差は開く一方だよ。このあたりは、もっとアメリカのプロスポーツから学べると思うんだ」

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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