“バイエルン一強”のブンデスリーガは面白い? ドイツ人ファンが吐露した不満と改善案
今季も5試合を残し6連覇達成、前半戦を終えた時点で優勝は既定路線
ブンデスリーガは今、バイエルンの“一強時代”だ。今季も第29節で、5試合を残して優勝を決めた。
序盤こそつまずきがあったものの、シーズン途中でカルロ・アンチェロッティに代わってユップ・ハインケスが監督に就任した後は、どんどん安定感を取り戻して勝ち続けている。前半戦が終わった段階で、優勝戦線は既定路線となった。
これでバイエルンは6連覇。優勝後の控えメンバー中心で試合に臨んだ第30節ボルシアMG戦でも5-1、一発勝負で何があるか分からないはずのDFBポカール準決勝ではレバークーゼンを6-2で一蹴だ。この状況はなんとかならないのか――なんともならないのだ。バイエルンの代表取締役を務めるカール=ハインツ・ルンメニゲは、「バイエルンファンは今、パラダイスにいるようなものだ」とホクホク顔で語るほどだ。
果たして、今のブンデスリーガはドイツ人ファンにとってどこまで魅力的なのだろうか。そのあたりを、私の周囲にいる友人たちにいろいろと尋ねてみることにした。
まず、昔のチームメイトであるシュテファン(仮名)は不満を吐き出してきた。
「本来、僕はカイザースラウテルンのファンなんだ。でも今は3部リーグ降格間近。1部リーグのチームで言えば、ドルトムントを応援しているよ。昔はそれこそ全試合の結果に一喜一憂して熱狂していた。でも、最近少し冷めた気持ちになる時もあるんだ。その理由の一つは、試合時間がバラバラになったことがあると思う。金曜日に土曜日、日曜日。今季はさらに月曜日まで……。こっちはスケジュール調整が難しくなる一方だ。ごちゃごちゃしているし、ファンをなんだと思っているんだ」
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。