INAC副将・伊藤美紀が描く理想のボランチ像 “挑戦の2018年”に掲げた課題とは?
代表選手不在の間はゲームキャプテンを担当 「自分が引っ張らなきゃいけない」
なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)1部のINAC神戸レオネッサは、2019年の女子ワールドカップ(W杯)予選を兼ねたアジアカップに5人の代表選手を送り出した。その間、カップ戦グループ首位に導く立役者の一人となったのが、主将のMF中島依美に代わってキャプテンマークを巻いた5年目のMF伊藤美紀だ。チーム登録メンバーの中で最も小さい身長150センチながら、かつてボランチコンビを組んだ女子サッカー界のレジェンドのプレー像を“自分なりの形”にアレンジするという大きなチャレンジに臨んでいる。
中島、DF鮫島彩、FW岩渕真奈、FW増矢理花、DF三宅史織とアジアカップメンバーが抜けたチームは、アカデミーからトップ登録されたDF毛利美佑(18歳)とMF天野紗(14歳)が早速デビューを飾るなど、文字通り総力を結集させてカップ戦4試合(3勝1敗)を戦い抜いた。伊藤は好調の要因に、チームとしての「切り替え」を挙げる。
「代表選手がいる時といない時で同じことはできないし、選手の特長も全然違う。それぞれの特長を生かした攻め方、守り方があるなかで、それを上手く“変換”できたのかなと思います」
今季から副将を任され、中島の不在時にはキャプテンマークを巻いた。リーダーとしての自覚を問うと、伊藤は「あまり言葉にするのが得意なほうではないので」と思わず苦笑いを浮かべる。
「(周りに)声をかける回数は増えました。ただ、自分が引っ張らなきゃいけないという気持ちは、どちらかと言えばプレーで示したいなと。守備から入ることは意識していたし、攻撃でも自分が起点になってリズムを作ろうと思っていました」